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「えー、こちらのプランですと、お見積もりがこちらの値段になりますね。」
クーラーの効いた店内、草太は客に電卓を見せた。
「あらぁ…意外と高いのね。」
けばい化粧と赤すぎる口紅がミスマッチな三十路くらいの女性客は、そう言うと頬に手をやる。
「そうですね、こちらアップルパイで復讐プラン、お相手の服装にもよるんですが汚してしまったときのクリーニング保険で、込み込みでこちらのお値段となっております。パイをクリームパイなど安価なものにに変更するか、プランを通りがかりプランにご変更なさればもう少し…」
「うーん、ごめんなさいね、他のところも探してみるわ。」
客が席を立つ。値段がお気に召さなかったらしい。
「左様でございますか、お時間いただき、ありがとうございました。」
ぺこりと下げた頭に振り返ることもせず、客は店を後にした。
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