星を見る

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謹慎が明けるまで2週間、折れた右手をかばいながら仕事をしてさらに2週間。 草太の気力と技術、どちらもすり減っていた。 パイを投げればターゲットの服を汚し、発注はミスを連発する。 焦りが精彩を欠けさせ、新たなミスを生み出す。 毎日が昨日より良くない日だった。 長内との飲みも金がないのを理由に断り、家に帰ってテレビを惚けたように眺める。 眠れないまま迎えた朝で、またミスに怯えて仕事をする。 そんな毎日が、ずっと、もっと、積み重なっていく。
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