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名前も思い出せない人事の上司が他の誰かと話し始めたのを見ながら、草太はため息をついた。
業務拡大、大いにけっこう。
ただし、自分の実務に影響がなければの話だ。
おそらく配置換えと、それに加えて新人の教育まで任せられる。
仕事に影響がないはずがない。
上が思い付きで何か行動すると割りを食うのはいつも現場だということを忘れないで欲しい。
忘れているもなにも、はなからそんなことは考えていないのかもしれないが。
とりあえず、今悩もうが文句を言おうがなんの意味もない。
文句を言うには遅いし、悩むには早すぎる。
今は仕事をしよう。
気分を変えるためにコーヒーを一口すすり、草太はパソコンに向き直った。
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