『いのち』とは

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『いのち』とは

『いのちとは何なのでしょうか。』 ある日、学校の先生にそう問われた。 保険の授業は正直眠い。欠伸を小さくしながら、こちらが聞きたいと思ってしまう。 「やっぱ、心臓。とか?」 前の席の友達、桜が呟く。 俺も「そうだろうな。」と賛成した。 いのちとは。 そんなことについて、深くは考えたことがない。 世界共通にあるもので、とても大切なものと言うことしかわからない。 それが分かればよかったのだろう。俺はその時 「スグなくなるもの、だろ。」 と言ってしまった。 違いない。昨日元気だった人が突然亡くなるのは、運命なのだ。 『確かにそうですね。いのちはすぐなくなってしまう。でも、長生きできるものでもありますよね。』 そんなことは微塵も思っていないであろう先生の薄っぺらい言葉。 その日の授業はいつもよりとてもつまらなく感じた。 ー次の日ー 俺は目が覚めると、白いベッドの上にいた。 あぁ、死ぬんだ。 そう錯覚した。そう感じた。 次の瞬間、意識がプツリと途切れた。 終
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