10 二人の決意

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正座してジッと暫く待つ。 シーンとした部屋。 今日この日の為に用意したワンピース。 汚れたって良かったから、着いて行った方が良かったかなと考える。 部屋を見渡すと、壁には賞状がズラリと額に入って飾られてあった。 広の名前のものもある。 その賞状の額と並んで、私が昔撮影したおじいちゃんの写真も並べられてあった。 私は、立ち上がってそれを近くで見ようと近付く。 間違いない。 私が9年前におじいちゃんにプレゼントした写真だ。 捨てられずに…大事に"夏木煙火株式会社"の歴史に並んでいた。 嬉しかった。 縁側の方に移動して、外を眺める。 庭の先にある道。 この道の先の坂を下って行けば、工場があるはずだ。 私はやっぱり行こうと玄関に戻って靴を履いて玄関を出る。 さっきの庭の方に向かい、その先の坂道を下る。 途中、プレハブの建物が並ぶ。 どこかに居るかもと広の姿を探す。 暫く坂を下り、探しながらゆっくり歩いていると― 「どちら様?」 男の人の声がして振り返る。
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