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「春川!!!なんだよそれ!!!」
久米さんの声。
「申し訳ありません」
エリさんに向かって謝るしかない。
「いつからなの!?」
エリさんの問い掛ける声。
「…2年ほど前です」
震える声でこたえた。
「2年?…あなた2年も私に平気な顔して主人を寝取ってたの!?」
涙がポタポタと地面に落ちる。
弁解のしようがない。
「子供たちのことも知ってるでしょ!?」
真木先生たち夫妻には2人のお子さんが居る。
「しかも、私妊娠してるのよ!!あなた女でしょ?罪悪感とかないの?」
妊娠は知らなかった。
でも、そんなこと今言えることじゃない。
「申し訳ありません」
ただ、謝るしかなかった。
「クビよ!!」
その言葉に私は顔を上げる。
「あなたを解雇します!」
エリさんはそう言い放った。
「…まっ、待ってください!私には、写真しかなくて…」
「知らないわよ!!そんなこと!!!」
エリさんは本気だ。
「今すぐ出ていきなさい!!」
その声はよく響いた。
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