1 空虚な現実

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「春川!!!なんだよそれ!!!」 久米さんの声。 「申し訳ありません」 エリさんに向かって謝るしかない。 「いつからなの!?」 エリさんの問い掛ける声。 「…2年ほど前です」 震える声でこたえた。 「2年?…あなた2年も私に平気な顔して主人を寝取ってたの!?」 涙がポタポタと地面に落ちる。 弁解のしようがない。 「子供たちのことも知ってるでしょ!?」 真木先生たち夫妻には2人のお子さんが居る。 「しかも、私妊娠してるのよ!!あなた女でしょ?罪悪感とかないの?」 妊娠は知らなかった。 でも、そんなこと今言えることじゃない。 「申し訳ありません」 ただ、謝るしかなかった。 「クビよ!!」 その言葉に私は顔を上げる。 「あなたを解雇します!」 エリさんはそう言い放った。 「…まっ、待ってください!私には、写真しかなくて…」 「知らないわよ!!そんなこと!!!」 エリさんは本気だ。 「今すぐ出ていきなさい!!」 その声はよく響いた。
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