3 再会

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それは、町発足100周年記念行事のチラシだった。 「ここ、100周年なの?」 どうやら今年の9月30日で、町が100周年を迎えるらしい。 「そうなんだよ!もう町上げてのお祭り行事だからさ。これ終わるまでは絶対に居る」 そう言えば、彼はお祭り男だった。 高校の文化祭も、文化祭実行委員長を務めていた。 「好きだね、お祭り」 「そう。でも、役場主導での記念行事だから俺が関われるのはここだけ」 竜ちゃんがチラシを指差す。 そこには… "フィナーレ 夜空に満開の桜が咲く" "若き後継者渾身の打上花火" と書かれていた。 「広の花火が上がるんだ」 竜ちゃんが誇らしげに言った。 「これが成功したら、アイツは本当に一人前の花火職人だ」 広と会わなかった9年間、 彼は直向きに夢を追っていたことがわかった。 9年の歳月で、私には何もなかった。 無くしてしまった。 恥ずかしかった。
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