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「しかし、魔女の死後にこの世に未練を持っている死せし獣の魂が彷徨って可哀相に思った白いヒグマと4角のシカは共同で山奥の廃墟の体育館を魔改造して、現世界(この世)と異世界(あの世)の中間点である『逝きし獣の世界』を造り上げたんだよね。」
「あんたの言ってること、何だか解らないけど、詳しいわねえ。私と同じ志の獣達が魔術を授けて良かったわ。」
「俺はね、それの『鳥版』の『逝きし鳥の世界』をこしらえたいんだ。」
「というと?」
「ママ・・・いや、女王様のこの『不思議の湖』は、人間のエゴに翻弄された野鳥達を癒す・・・という名目の・・・『愛の仲間達』なる宗教まがいとは違う・・・」
「なんですって?!私のしてる事が『宗教まがい』って何なのよ?!」
息子の失言で、女王様は思わず逆上した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
「うわっ!!」
「なんなんだ?!」
「女王様のお怒りだぁぁぁぁーー!!」
ハクチョウの女王様の召し使い鳥達は、突如起こった地響きに仰天して慌てふためいた。
「だって、思ったこと言っただけだよ?ママ・・・じゃなくて、女王様は何時も俺に「思ったことはどんどん言ってちょうだい!心に留めとくと、心のモヤモヤが取れなくなるよ!」ってね。」
ハクチョウの息子のブルンガは、冷や汗を垂らしながら応えた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
「いいわ・・・あんたがその気なら、あんたに究極の最終試練を与える・・・」
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