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「『バードランド』って、何じゃらほい?」
ハクチョウのブルンガはカラスのワンダフに、 自ら考えている『バードランド』の概要を事細やかに話した。
「ぷ~~っ!!かははははは!!」
カラスのワンダフは、お腹を抱えて笑い転げた。
「な、何が可笑しいんだよ?!それを造るのが、俺の魔法修行の最終試練なんだよ?!」
「『魔法』がどうのこうのだってれ!そうだよ!そんなの、どっかの廃虚に造れよ!!この世の中、誰も知らない湖とか山林とか人間の手のかかったのはこの辺じゃ、何にもねーよ!!」
余りにもカラスに馬鹿にされ、ハクチョウのブルンガは不愉快になった。
「そうだよ!!廃虚だ廃虚!!廃虚なら、この世にはゴマンとあるぜぇ!!
例えば、遊園地の廃虚ってどーだ?!
丁度、『死骸』にはお似合いの・・・」
「カラスさん!!ヒントをありがとう!!」
「はあ?」
「よし!!『バードランド』は、廃虚の遊園地を大改造してやるぜぇ?!」
ハクチョウのブルンガは、目を爛々と輝かせて言った。
「ちょ・・・ちょっと正気か?!
廃虚の遊園地を大改造って・・・?!」
「そう慌てなさんな、カラスさん。
要は、その廃虚の遊園地を『楽園』にする訳ね。
計画と概要は出来た!!ありがとう!!カラスさん!!」
ハクチョウのブルンガは白い大きな翼を拡げると、空の向こうへ飛んでいくのを、カラスのワンダフは見詰めながら呟いた。
「なにこいつ。奇特な奴が居るもんだ。かははははは!!」
・・・・・・
「あれっ・・・ここは・・・?!」
ハクチョウのブルンガは、山奥に観覧車やメリーゴーランド、ジェットコースター等が錆びて朽ち果て、表面が蔦で覆い尽くされた、廃虚の遊園地を見付けた。
ここは、バブル時代のリゾート法にのっとったテーマパークとして開業したが、ここで大事故が起きて死者が出てからというものの、客足の減少でオーナーの失踪もあり閉園したという、曰く付きの遊園地だった。
「すげえ・・・!!この廃虚の遊園地に凄まじい妖気が発してるぜ!!
正しく『死に行く鳥たちのバードランド』建立予定地に相応しい!!」
ブルンガは、空から廃虚の遊園地を見回りして、構想を練っていた。
「この廃虚を『バードランド』にするなら、
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