『金髪王子』

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(あの人の目は、忘れられない・・・ この世の者ではないあの目) 光は、思い出しただけで吐きそうになった。 (死神(あいつ)の血が、僕にも流れているかと思うだけで怖い) 光は、ある時男に『お前は、不幸を呼ぶ白カラス』と、言われた事を思い出し苦渋な顔をする。 (いつか僕も・・・) 生徒会室の外から扉を、コンコンとノックする音に光が気づく。 「はいっ」 扉を開け1人の女子生徒が、部屋に入って来て光がいるデスクの前に立ち。 「会長・・・先生がお呼びです」 光は、だいたいの予想がつき、ため息を吐いて席を立つ。 (またぁ・・・あいつらか。転校生に、何もしてなきゃいいが・・・) 「わかった。すぐに行く・・・」 □放課後。 光は、生徒会室に問題を起こした、つがるとその友達2人を呼び出した。 つがるとその友達の2人が、光の座っているデスクの周りを囲むように立っている。 けっこう酷いケガを追い、手当をうけた姿のつがる達の顔を見て、かける言葉が出てこない光。 (あらら、派手にやられたなぁ・・・) そして、後からやって来た蓮輝が生徒会室の扉を開け、つがる達を見て何で呼ばれたのかが、わかり不機嫌な顔をして部屋の中に入っていた。 「遅かったねぇ。鈴達 蓮輝くん!」
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