第五章 武道家

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 ダバインが暮らしている家とは反対側の、街の外れに武道家の道場があった。数人の男たちが掛け声とともに木刀を振っている。 「お帰りなさいませ」  武道家とダバインが入っていくと、木刀を振っていた者たちが手を止め、武道家とダバインに挨拶をした。 「今日からここで一緒に稽古をする見習い勇者ダバイン殿だ。まだ弱いが、一か月後には皆よりも強くなっておるだろう」  武道家の言葉に、ダバインは戸惑った。  ええ、そんなこと、言うなよ。  剣の持ち方から構え方といった初歩的なことから始まり、素振りの基本動作を何百回も繰り返して体に叩き込まされた。
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