第一章 城へ

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 街では札付きのワルだったから、人々が遠く離れてダバインを見ているのはいつもと変わらなかったが、その目つきはいつもと違っていた。  それがダバインにも伝わり、無性にイライラした。  畜生、みんな好奇の目で俺を見やがって。 「うわっ! 変な奴!」  横で声がして、ダバインはそちらを見た。 「あっ! ダバインだ! ダバイン、気が狂った」  子供たちがダバインを見て騒いだ。 「バカ野郎! てめえら、ぶっ飛ばしてやる」 「うわー、勇者が切れた。逃げろー」  子供たちは去っていった。  ますます城に行くのが嫌になった。  勇者になれば、いっぱい稼いで金持ちになれるんだ。これしきの事でくじけていられるか。  ダバインはなんとか自分を奮い立たせて城に向かった。
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