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第四章 見習い勇者
翌日、ダバインは前日と同じ勇者のいでたちで、城に向かった。一晩寝ても、気分は晴れなかった。
幸い、うるさいガキどもに会わずに城まで行くことができた。
「ダバイン様、ようこそ」
昨日と同じように、城の門番に立つ兵士が敬礼をした。
「おはようごじゃむにゅ」
ダバインはしょぼくれて、むにゃむにゃと言って城の中に入った。
「ダバイン。こちらへ」
昨日の仕官に案内され、大広間へと行った。
王様は昨日と同じ椅子に座っていた。斜め後ろには武道家もいる。
ダバインは大広間に入った所でぺこりと頭を下げると、王様の前まで歩いていき、片膝を付いて挨拶をした。
「どうだ、昨夜はよく眠れたか?」
王様が尋ねた。
「はい」
ダバインは腫れぼったい目を見られないように、うつむいたまま答えた。
「では、さっそく昨日の試験の結果を伝える。ダバイン。お前を勇者見習いとして認める」
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