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このような場所での野生動物の観察も楽しいものだ、と足音を忍ばせて音がする方へ近づく。
「ん...?」
暗闇に目が慣れ、音を立てている者の姿が見えてくる。
人が居た。それも髪が背まであり、体つきから裸の女のようであった。
こんな山奥に自分以外に人が?女が1人で?こんな夜遅くに水浴び?
Y氏はこれらのことを考えると、「あれは人ではないな。」と結論付けた。
そして人ではない何かに遭遇し、恐怖しながらも彼は冷静であった。
幸い、こちらはまだ気づかれておらず、その女は先ほどから変わらずに水浴びをし続けている。
よし、とY氏は振り返り一歩を踏み出した。
ポチャン
間の悪いことに、Y氏は小石を蹴飛ばしてしまい、石が小川へと落ちてしまう。
その瞬間、水音がピタリと止まり、川のせせらぎ以外聞こえなくなる。
まずい、と直感的にY氏は思った。
そしてゆっくりと振り返ると、女が居なくなっていた。
「へっ?」
なんとも気の抜けた声を出して、そのままの体制で視線を前に戻す。
女が立っていた。
それもY氏と鼻を突き合わせる格好で。
「ひっ」
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