第1章

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わたしが初めてネクロマンサーの能力を使ったのは12歳の頃だった。 ある日、レーベンおじいちゃんが死んでしまった。ぽっくり逝くとはまさにこのことで、朝おばあちゃんが起こそうとすると、息もせず、冷たくなっていたらしい。 わたしは悲しいはずなのに涙はでなかった、むしろおじいちゃんが苦しまずに死ねてよかったと思うくらいだった。おばあちゃんの方は 「ぽっくり逝けて羨ましいわ、わたしもこんな死に方したいものね。」 と縁起でもない冗談を言いながら笑っていた。 その夜、おばあちゃんからおじいちゃんの話をたくさん聞かせてもらった。 おじいちゃんとは幼馴染だったこと、 小さい頃からとても優しかったこと、 「幼馴染は好き同士になるって神様が決めている」という神様真っ青の暴論をふりかざしおじいちゃんにむりやり愛の告白をさせたこと、 プロポーズも同じやり方でおじいちゃんにさせたこと、 子供ができずに二人で悩んだこと、 そんな時わたしが教会の前に捨てられていて、きっとこれは神様の送りものだと思い、我が子のように育てたこと、 全部話し終えた後に 「あなたがいて、おじいちゃんはきっと幸せだったわ」と言ってわたしの頭を撫でてくれ た。
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