1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あやめ」
自分が好きな女の名前を親しく呼ぶ男の声が聞こえる。気持悪い。腹の底が熱い気分だ。彼女と手を取って歩いて行くのを見ると先クラスで言ってた‘彼氏’の様だ。そんなに背が高いのでもないし顔もまあまあだ。声が特別に良いとか、そんなのもない。何であんな男と付き合うのだろう。自分の方がもっと彼女について分かってるし親しいに違いない。だって今まで彼女に自分以外の男子と一緒にいるのを見た事がない。そうだ、彼女は彼に騙されてああなったのだ。彼女の眼を覚ませるのは自分しかないと思った。
最初のコメントを投稿しよう!