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翌日も、その翌日も、その子はオークションに出ていた。 俺は買い取る気も無いのに、オークションにその子が出るたびに、その子の番号を呼んだ。 絶対に落札できない金額を提示して。 その子の番号を呼ぶたびに、やはり怯えたような表情を一瞬見せる。 その子の表情が、何故だか分からないけど、どうしても気になって。 その表情の理由を知りたくなってしまったのだ。 そして今日もオークション会場に足を運ぶ。 このオークションの実態を探る為。 それと、あの子の番号を呼ぶために。 今日のその子はいつもと違った。 いつもは、何も映していないのかと思わせるまなざしで、どこともつかない空間を見ている瞳が、今日は何かを探しているように見えた。 俺はいつものようにその子の番号を呼ぶ。 その瞬間初めてその子と目が合った。 多分たまたまの偶然ではなく。 さっき何かを探していたように見えたのは、多分、そういう事なんだろう。 俺を探していたんだ。 いつも、一度だけ自分の番号を呼ぶ、俺の事を。 怯えるでも、悲しむでも、怒るでもない、何を考えているか全く読めない瞳で、ただただ真っ直ぐに。 決して目を反らさない。 そしてその瞳は、今日の、この、オークションが終わるまで一度も俺を逃がしてはくれなかった。
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