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「あんたさぁ。」
「雅隆だ。」
「・・・雅隆さんさぁ、ここが何する場所か分かってる?」
「分かっているつもりだが。」
「なら、名前なんてなんでもよくない?
帰る気が無いんなら、やる事さっさとヤろうよ。」
「生憎だが。さっきも言ったと思うんだが、こういう事には興味が無くてね。」
「なら、さっさと帰れよ。」
「帰りたい気持ちはやまやまなんだが、俺にも事情がある。
それにまだ君の名前を聞いてない。」
名前なんて・・・
「・・・どうでもいいだろ・・・」
「ん?」
「名前なんて、なんだって言うんだよ。俺には意味の無いものでしかない。
ただ大勢の中で、個人を特定して呼ぶ時に便利ってだけじゃん。」
「・・・それでも、君の名前だろ。」
「・・・」
ここまでしつこく名前を聞いてきたやつは初めてだ。
何故ここまで名前を知りたいのか俺には理解できないが・・・
こいつの考えている事はほとんど理解できないのだろうな。
名前を呼ばれたいとも思わないし、教える気も起らず黙っていると。
「そんなに名前を教えたくないか?
それなら、先に俺がここにいるわけでもきいてもらおう。
聞いているうちに名前を教えたくなるかもしれない。」
そう言いながら勝手に話はじめた内容は・・・
正直俺にはどうでもいい話だった。
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