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次の日のオークション。
ここ最近、毎日、葵雅隆に呼ばれていた俺の番号は、今日は呼ばれる事はなかった。
昨日の俺の態度が気にくわなくて今日は来なかったのだろうか。
流石に昨日の態度は良くなかったかな、気を悪くしたかなと、少し不安になった。
しかし、その不安もすぐに消える事になった。
オークションが終わり、遊郭施設に行くとそこに・・・
葵雅隆が居たのだ。
「・・・なんで居るんだよ。」
「また来ると言っただろう。」
「・・・今日来るとは言ってなかった。」
「今日来るとは思わなかったのか?」
「・・・オークションに来てなかったじゃないか。」
「?オークション会場にもいたが?」
?
いたのか?
ステージからは客席が見えにくいから・・・
「・・・暗くて見えなかった。
それに、俺の番号も呼ばなかった。」
「それは・・・気を悪くするかと思って。」
まぁ、確かに・・・
オークションで番号を呼ばれたって、いい気はしないが・・・
呼ぶなとは言ってないだろ。
「来て・・・よかったか?」
「来るなとは言ってないだろ。」
そう言った瞬間、昨日から、緊張しているような、強張った表情だった顔から、少し力が抜けたようだ。
少し柔らかい表情に見える。
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