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「皆様、本日もこの船上オークションにお越しいただき、誠にありがとうございます。さぁ、この時間ご紹介しますのは、この5人の子供達でございます。一番高値を付けて頂いた方だけが、一人だけお持ち帰りいただけます。では、皆さん。オークションを開始いたします。」 そんな言葉で始まったオークションは、所謂、闇オークションというもので。 どこから連れてきたのか、年端もいかない少年少女達を競りにかけていた。 競りにかけられている子供達は、皆、何も身に纏っていない姿で、鎖に繋がれ、ステージの上に立っていた。 自分の置かれている状況が分かっていないのだろう、怯えきって震えている子。その目に何も映っていないのかというほどに生気を感じられない子。何かを諦めているのか、ただただ感情なさげに俯いている子。 子供達の表情を見れば、望んでここに居るわけではないのが一目で分かる。 そんな子供達をどうして買う気になるのか。ここに来ている、所謂金持ち達は次々と金額を提示していく。 「2番を150万。2番を150万です。それ以上の方はいらっしゃいますか?いらっしゃいませんか?では、2番を150万でお買い上げして頂いた方。後ほどお引き取り室へお越し下さいますようお願いいたします。」 どこで拾ってきたかも分からない子供に150万か。 ここの相場がどのくらいなのか分からないから、高いのか安いのか分からないが。よく、こんな趣味の悪いオークションに金を出すのか。俺には理解できないな。 「これにて、この時間のオークションを終了とさせて頂きます。皆様、本日もご来船、ご参加、誠にありがとうございました。 お時間ございます方は、この後も船内の遊郭施設で楽しんでいただけたらと思います。 次のオークションもございます、お時間の許す限り、この後もお楽しみ下さい。」
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