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その言葉でオークションの終わりを告げた会場からは、波が引くように人が居なくなり、ほとんどの人が同じ方へ進んでいく。 きっと皆、遊郭施設とやらに行くのだろう。 そこで売り買いされているのも、きっと、さっき競りにかけられていた子供達と同じ子供達なのだろう。 そこの遊郭施設とやらに行って、売られている子にどういう成り行きでここに来たのか聞くのも一つの手ではあるが・・・ 今日はもうここには居たくないな・・・ 俺は、人、特に子供を売り買いする趣味はない。 うちの組も今まで一度たりともこのような事はしたことが無いはずだ。 このオークションを行っているのが、本当に、この前うちの組の傘下に入ったやつらだとしたら・・・ うちの傘下に入る前から行っていたのか、傘下に入った後から行い始めたのか。 傘下に入った後からなら・・・親父が・・・関わって・・・ そんな事はないはず。 ヤクザの世界だ、良くない事を全くしていないと言えば嘘になる、だが、しかし、こんな事は俺が知る限り一度も無いはずだ。 取り敢えず、帰って親父に確認・・・いや、もう少し調べて、あいつらが行っている事だとはっきりしてからの方が・・・ 何故、ここに居たくないと思ったのか。 ここに居るやつらと同類に見られたくないと思ったのか、それとも、ここで売り買いされている子供達を可哀想に思い見ていられなかったのか、この時の俺にははっきりとは分からなかったが。 兎に角、今日はとてもここに居る気分にはなれなかった俺は、逃げ出すように出口へ向かった。
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