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今日も来たくもないオークション会場に行く。
証拠が無い事には、何も咎められない。
だいたい、根本的な話、うちの傘下のやつらが関わっていなければ、正直なところどうでもいい。
ここで、何人の子供達が涙を流そうと、俺には知った事ではない。
うちの傘下のやつらじゃない証拠が見つかればすぐに手を引く。
うちの傘下のやつらだった場合、さっさと消すまでだ。
うちの傘下のやつなのか、そうじゃないのか。
どちらでも構わない。
どちらかの決定的証拠がみつかればいい。
その為に今日もオークション会場へ足を運び。
後ろの方でオークションの様子をうかがう。
いつもと同じ、気分の晴れないオークション。
だが、何故か今日はいつもと何かが違った。
いつもなら目を向けるのも気の進まないステージ。
何故か今日はここから目が離せなかった。
少年少女達の中の一人が何故か目についたのだ。
その一人の子から目が離せない。
何も映してないような、希望も絶望もなさそうな、すべてを諦めているような目。
その瞳から目が離せない。
俺は無意識にその子の番号を口に出していた。
その瞬間、後悔した。
買い取る気もない子の番号を口に出してしまった。
ここに居るやつらを軽蔑しているのに、俺は今、ここに居るやつらと同じ事をあの子にしてしまった。
買い取ってもらえるかも、と、期待をさせたかもしれない・・・
でもその子は違った。
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