第一話 うちのアイドルが何か言い出しました。

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星野P「え…」 い、いやいやいやいや。 貴女充分個性的ですけど!? そのライトブルーの髪色に白い肌、タレ目に近い平行目…大勢に紛れても目立つでしょうよ! 黒崎「それでですね、私…キャラ作りをしたいと思うんですけど」 星野P「キャラ作りね…。 うーん、猫キャラはどうかな?」 黒崎「いえ、猫キャラはもうすでにいらっしゃるじゃないですか。 猫田先輩とか森田先輩とか野中先輩とか…他にも色々…」 星野P「そうだったな」 黒崎「あの、私…こういうのをやってみたいんです!」 アウターのポケットから何か取り出し俺に見せる黒崎。 それは漫画の本だった。 星野P「魔法少女…マジカルミライちゃん…? 魔法少女キャラってこと?」 黒崎「そうです! できればもうちょっと濃い感じで痛い感じの…そう…いわゆる…」 星野P「中二病的な?」 黒崎「そう! それです!中二病キャラをやってみたいです!」 星野P「はあ…」 黒崎「ダメ…ですか?」 星野P「いや、ダメじゃないよ。 黒崎が本当にやりたいならね。 でも、こういう系は引かれやすいし場がシラケるかもしれないけど、その覚悟はあるのか?」 黒崎「…はい。 重々承知、覚悟の上です!」 じっと俺を見つめる黒崎。 その目は本気の目付きだった。 星野P「…わかったよ。 頑張ってみなさい」 黒崎「…! ありがとうございます!」 深々と頭を下げる黒崎。 星野P「ただし、やるからにはガチでやること。 ちょっとドン引きされたりネット上で叩かれるかもしれない。 それでもめげずに頑張るように…いいね?」 黒崎「はい。 頑張ります!」 星野P「よし! じゃあ早速だけど、中二病となると話し言葉や仕草等を変えないといけないわけだが、どうするんだ?」 黒崎「心配しないで下さい。 あてがあります」 言いながら事務所から出る黒崎。 心配なので俺もついていく事にした。
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