加太の海

4/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
 加太駅を降りるとほどなく海が近くに迫っていた。海岸沿いにゆっくりと歩いて行く。さわやかな海風がほほをそっとなでる。  潮の香りがただよう。押し寄せる波の音が心地よい。  真菜は幼い頃から父に連れられて歩くこの道が好きだった。真菜が勝手に“潮風通り”と命名していた。  隣を歩く女性の表情が明るい。真菜までうれしい気分になってくる。  潮風は幸せをみんなに運んでくれる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!