復讐のショータイム

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「これは、以前他の方にも話したことがあるのですが、モテる男性とは女性との距離感を詰めるのがとても上手いです。 極論ですが、それさえできれば、外見は関係ないといっても過言ではありません。ですが、その距離感を詰めるには、絶対的な前提条件があります」 清貴はペンを手に、ホワイトボードにさらさらと書き込む。 生徒達は、前提条件、と洩らし、呼吸をも止める勢いで、清貴の話に集中していた。 清貴は、『清潔感』とボードに書き、再び皆の方を向く。 「清潔感……?」 前列の生徒が、少し拍子抜けした声を出した。 他の皆も、なんだ、そんなことか? という雰囲気を見せている。 「はい、珍しくもないごく普通のことです。ですがこれがモテるための前提であり、『絶対条件』です。自分の容姿スタイルがどうあれ『清潔感』のある男であること。たとえば、もし体型がふくよかであっても清潔感さえあれば不快にさせません。むしろ『ぬいぐるみのクマさんみたい』とプラスのイメージに転じさせることも可能なわけです」 その言葉に、ふくよかな生徒たちが目を輝かせる。 「えげつない話をしてしまいますと、元々男女は『良い遺伝子を残したい』という本能からスタートしています。男女ともに美しい人を求める者が多いのは、それが分かりやすく『優秀』だからです。 それでは美しくなければ駄目なのかといえば、そうではありません。外見はあくまで武器のひとつ。つまり何かひとつでも『優秀』であれば良いのです。勉強が得意なら勉強を、運動が得意なら運動を、文才、料理、ゲーム、なんでも良いのです、自分の得意分野を磨き、その分野においてプロフェッショナルとなり収入を得られるようになったならば、必然的に自信と富が付いてきますし、必ず異性を惹き付けるでしょう」 その言葉に皆は、おお、と目を輝かせる。
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