復讐のショータイム

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一方、グリーンとホワイトは、がちがちでまるでお葬式のような顔でガタガタと震えている。 つい最近まで素人だったグリーンはさておき、ホワイトの芸歴は長いというのに、そんなに緊張するなんて、と清貴は苦笑した。 「みんな、お疲れぇ」 その時、中年男性が控室に入ってきた。 「お疲れさまです」と皆が揃って頭を下げる。 テレビでもお馴染みの、有名プロデューサー清水だ。 台本にはないが、自分も舞台に出る気なのだろう。『導く者』と同じシルバーの衣装を纏っている。 彼は清貴を見て、「うん?」と目を見開く。 「男前だなぁ、君は誰だっけ?」 「僕は……」 清貴が答えようとすると、秋人が前に出た。 「俺の親友で、今日は一日マネージャーを務めてくれるホームズです」 「どっかで見た気がしたけど、俳優じゃなかったんだな」 清水はそう言った後に、皆を見回した。 「今、開門したよ。いやぁ、ものすごい人だった。今日はある意味、二回目のオーディションのようなものだし、みんながんばってくれよ」 彼は笑いながらそう言う。
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