復讐のショータイム

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――― ――――― ―――――――― 十七時半。 予定通り『ひらかたパーク』の入場ゲートが開かれた。 スタッフに『走らないように』と注意を受けていたにもかかわらず、来場者はゲートをくぐるなり、全速力で野外ステージへと走っている。 私と香織はその様子に圧倒され、「この勢いなら無理だね」と良い席を取るのを諦めて、せっかくなので散歩するように園内を歩いた。 年中薔薇を楽しめるという『ローズガーデン』や、メリーゴーランド、ティーカップ、ジェットコースーターという定番の遊具から、新しいタイプの遊具もある。 わくわくする雰囲気と、どこか懐かしいアットホームさを兼ね備えているこのパークは、まさに『心のふるさと』という表現が当てはまる気がした。 子どもの頃、親にここに連れて来てもらい、その子が親になった時、我が子を連れてくるのだろう。 その時、自分が幼かった頃を思い出して、感慨深さを感じるのかもしれない。
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