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私と香織は、他の観客同様にレンジャーたちが演じる舞台を食い入るように観ていた。
舞台は、元々ある古典演目をうんと華やかで現代的にしたものであり、歌も踊りも見応えがある。
グリーンが演じる安珍、パープルが演じる清姫と、物語だけみれば二人がメインなのだが、他のレンジャーは、坊主になったり精霊になったり、歌ったり踊ったりと、艶やかな和風ミュージカルを繰り広げる。
後ろのスクリーンに映し出されるプロジェクションマッピングも見事なものであり、観客たちは飽きることなく舞台に釘付けとなっていた。
そうしていよいよ、レンジャーオリジナルバージョンに入った。
鐘に取り憑いてしまった清姫の霊を鎮めたいと考えた道成寺の小坊主(ホワイト)は、有名な二人の除霊師を呼びよせる。
関東の鹿島神宮からやってきた陰陽師(ブルー)と、熊野の山で修行をしたという山伏(イエロー)。
登場してすぐに、ブルーとイエローが競うように歌と踊りを披露し、客席から熱い息が洩れた。
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