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ステージでは『――その前にもう一つ』と清水が前に出ていた。
『実は、護符の謎以外に、この園内にはレンジャーの秘密も隠されています』
その言葉に、レンジャーたちが『えっ?』と固まった。
そのリアクションから、『もしかして、リハーサルにはなかったことなのかな』と、私と香織は視線を交わし合う。
清水は愉しそうに、にやにやと笑みを見せて口を開いた。
『そう、みんなを護る正義のヒーローなのに、人々を欺いている者もいるかもしれない。たとえば、サバサバして気さくで嘘が嫌いという、とびきり美人な女性パープル。だけど、実はとっても化粧が上手いだけで、その素顔はまるで別人だったり』
『やめてっ!』
パープルはぎゅっと目を瞑り、強張った声を上げた。同時にステージ後方のスクリーンに腫れぼったい瞼の素朴な顔立ちの女性が映し出される。
【パープルのすっぴん】という字幕に観客たちは仰天し、いやあ、とパープルはその場にしゃがみこんだ。
清水は半笑いでスクリーンを振り返り、パープルの素顔を確認して露骨に顔をしかめた。
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