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「お前、一体、何を言い出すんだ! どうして俺まで対象なんだよ」
「で、でも、私……シナリオ通りにやったまででして」
透子は驚いたように、台本を差し出す。
清水は台本を奪い取ると、中を確認して目を剥いた。
「なんだこれ、最初のシナリオと違うだろ。これは誰がやったんだ!」
「分かりません、いつの間にかこうなっていて」
透子は肩を震わせながら、身を小さくさせる。
岡崎がそんな透子をかばうように前に出た。
「清水さん、レンジャーの秘密を公開なんて私たちは聞いてませんし、これまでのリハーサルでもやっていなかったですよね」
「そうですよ。うちの梶原には一体どんな秘密を?」
と、続いて田町が詰め寄る。
「楽しいエンタメの仕掛けだよ、決まってるだろ!」
「仕掛けって、そんな……」
マネージャーたちは困惑の色を見せる。
その様子から、レンジャーの秘密を公開するというイベントは、清水と透子しか知らないことであり、二人だけは他の者たちとは違う台本を持っていたことが分かった。
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