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旅館の主人がニコニコしながら、
(さっきから終始ニコニコしている
この人怒ったりするのだろうか)お昼はもう済ましましか、と訪ねてきたので保吉は朝から何も食べてない事を思い出してお腹空いてます、というと主人はわかりました、とニコニコしながら奥へと消えた。部屋に一人残される保吉。とりあえず文庫本を持って下に降りると、いい感じの縁側があったのでそこでしばらく読書をしていると、主人がやって来てここにおられましたか、ささはやくおいでなさい。とせかすので栞を挟みついて行く。
畳の上に背の低い長机と座布団が置いてあって、味噌汁と白米と大根煮しめ、そして沢庵が長机に並べられていた。男の一人暮らしはどうしても、コンビニ飯だったりマクドナルドのチキンクリスプばかり食べる事になる。毎回同じような味でどうしても食事が"摂取"へと変わる。このように暖かくて食への探究心を思い出させてくれる食事は久し振りだ。しみじみ咀嚼して食べる。
主人が
明日もう一人泊まりにやってこられます
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