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大人の家出
旅行客は2種類に分けられる
一つは"観光"そのものが好きな人。
そしてもう一つは"旅"そのものが好きな人だ。
旅とはある種大人がする家出かもしれない。少年少女達は親や学校に嫌気がさし、現状を打破しようと家出をする。しかし多くの家出にはプランなどといったものは存在せず、少年少女達は呆気なく親元へ戻るか、戻らされる。そして家出をした子供達は自分の無力さを理解し、今自分が生きている世界を受け入れるのである。
一方大人の家出には、子供時代におこなったような革命的な要素は無いが、いっときの間だけ現代社会から抜け出したいという諦観した切ない願いがそこにはある。
ある山の麓に旅館がある。旅館といっても古民家をいくぶん改築したような代物で、めぼしい観光地も近くには無く旅館の主人もお金儲けの為にその旅館を営んでるわけでは無い。そのためそこには資本主義からいっときの間解放されたいサラリーマンや、何で金儲けをしているか分からないようなノンキで自由に生きている旅人が泊まりに来るだけだ。
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