忘れられた娘。

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これはずっと昔の事でまだ学校に行く前の一人の少女の思い出話でこれも以前に別なサイトで投稿した話。 その子サツキは2つ年下だから4歳くらいかな?毎日家に来ていた。近所には同い年の女の子がいるのに何故か家に来ていた。ただすぐ泣く子で些細な事で泣き泣きながら帰って行くのに翌日にはケロっとした顔で遊びに来る。何故か祖母はサツキが来るの嫌がっていたが別に帰れとかも無く毎日遊んでいた。 そんなある日サツキが事件を起こす。近くの空き家の中でマッチを擦っていたのを近所の大人に見つかり激しく怒られたそうな。それでも翌日には何事も無かったかのように来る。 その日も昼から来たサツキと家の横の小川で遊んでいた。小川といっても雪解けの時期以外はチョロチョロとしか水が流れない小川だった。子供の足でもくるぶしくらいしかない深さで遊び帰る時に1メートルくらいの坂を登る途中でサツキが止まったので手助けしようと背中を押すといきなり「痛い!」と泣き始め泣きながら帰って行った。 またかよ?と思い明日来たら謝ろうと思うもサツキは来なかった。その次の日もその又次の日も来なかった。結局サツキの姿は二度と見かけなくなり、祖母から何処かに引っ越したと聞いた。やがてサツキの事も忘れて行った。 それは小学4年くらいの時にサツキがマッチを擦っていた空き家に引っ越して来た人が居た時にサツキを思い出し母親に聞いた。 「前にサツキって女の子があの空き家でマッチ擦って大騒ぎになったよね?」 すると母親の顔が?マークになり「誰だそりゃ?」と言ったから毎日家に来ていた2つ年下女の子で空き家でマッチ擦って怒られた事あるっしょ!と言っても誰かと勘違いしてないか?と言われた。 その頃祖母は認知症が激しく聞くどころではなかった。近所の子供に聞いても誰一人として覚えてないと言う。そうサツキは誰の記憶からも消えていた。 もしかすると何かが原因で親が地域住民から村八分みたくなっていたのかな?と思う。それで唯一行けるのが家だったのかも知れない。 でもサツキと遊んだ日々、それは確かだ。ふと思い出した遠い遠い日の思い出。 次も女の子に纏わり少し前まで起きていた少しホラーがかった話を最後に投稿。
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