二章 ー出会いー

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エリアルの泣き声が一人の少女の耳に入った。 その少女は建物の上を走り、飛び回りエリアルのもとに駆けつけた。 リープ「こんな夜中に一人で泣いて、どうかしたのかい?」 エリアル「うぅ…。えっく」 エリアルは泣きじゃくり、言葉を発することが出来なかった。何も話を出来ない状況だがリープがあることに気付き、思案している表情を浮かべながら呟いた。 リープ「その鳥…。目も口もないね…」 エリアル「えっ…?」 エリアルは驚きで涙がピタリと止まった。 リープ「あ、泣き止んだ」 エリアルは勢いよく顔を上げ、リープの顔に近づけて言葉を放つ エリアル「見えるの!?」 リープは少し覚ったように答えた。 リープ「見えるよ。はっきりとね」 エリアル「そうなんだ。幻覚じゃなかったんだ」 リープ「幻覚?あぁ、普通の人には見えないからそう言われたのね」 エリアル「普通の人には見えない…?」 リープがさらっと言ったことにエリアルが目を丸くして驚く。 リープ「それを知らなかったって事は、あなた自身最近見えるようになったってことかな。私はずいぶん前にそれは経験したよ」 そう言うと、リープの肩に黒い兎がフワリと姿を現した。クロウと同じく目や口のない真っ黒な兎。 エリアル「それは…。もしかしてクロウと同じような子なの?」 リープ「その鳥、クロウって言うのね。良い名前だね。この子はラビって名前だよ。同じように見える人に会うこと事態はじめてだから、同じかどうかは正直分からないよ」 エリアル「そうなんだ…。あっ!」 リープ「なに?どうかした?」 エリアル「自己紹介まだだった!私エリアル!」 リープ「あっはっは。確かにこの子の紹介して自分の紹介まだだったね。私はリープ。よろしくね」 エリアル「よろしく!」 リープ「あ、ところでエリアル。どこか行く宛あるの?あれだけ泣いてたって事は余程の事があったんでしょ?」 エリアルは思い出したように俯いて、答えなかった リープ「そのようすだと、無いみたいだね。とりあえず私の家にくるかい?」 エリアルは静かに頷いた リープ「じゃあ、ここから歩いたら次の日の朝に着くぐらい遠いけど頑張ってね!」 エリアル「えっ。遠い…」 エリアルはまたも驚きで泣き止んだ。
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