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 医務室内に人影は無く、ウィムはキャメリアを近くの椅子へと座るように促した。レヴィとウィムの契約相手、大型の犬を模った神獣の結埜は医務室の外で待機している。ウィムは慣れた手つきで治療に必要な物を集めてくると、キャメリアの前に座った。 怪我をしたキャメリアの手を取り、抑えていたジークのハンカチを側の机に置く。傷口からは薄らと赤が見えるが、溢れることは無い。脱脂綿に薬を染み込ませ、丁寧に傷口を拭っていく。薬が傷に染みたのか、キャメリアの顔が僅かに歪んだ。 「わりぃ、もう少しな」  一声かけるとまたも傷口を拭い、用意していた軟膏を塗ると上からガーゼで抑え包帯を巻く。治療の終わった手を離した後、治療用具を片づけ手を洗うウィムの背にキャメリアはおずおずと声をかけた。 「あの、ありがとうございます」 「どういたしまして。傷は深くなさそうだし、心配することはねぇと思うけど、今晩か明日の朝にでもしっかりと医務員に見てもらった方がいいからな」 「わかりました」     
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