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第1話 蛙と蛇
思えば人からは「変わっている」と言われて過ごした中学時代だったように思える。だなんて語り出してしまえばそれ相応の変人紀行記でも綴ることになりそうなものなのだけど、私はそれでもやっぱり自分を変だとは思ったことは一度もなくて。
ただやっぱり、周りからは少し浮いていて、馴染めないところがあったのは事実だったんだろう。
昨日見たテレビの話題も、今人気のアイドルの話も私にはどうにもピンとこなくて。曖昧に頷いているうちに友達は離れ、気がつけば私自身も人との話し方を忘れてしまっていた。
教室で一人、読書に浸る。
お小遣いには限りがあるし、学校では携帯の使用も禁止されていたから図書室や市立図書館で借りてきた文庫本。ライトノベルに手を出すと「オタクだ」っていじめられるからなるべくそういうのは避けて、一般文芸と呼ばれるものにしてもブックカバーを被せた。
ざわざわと、どうでもいいと閉ざしたはずの世界の音はうるさくて。少し席を離した隙に他の人が私の席に座っていたりすると、どうしようもなく胸の底が苦しくなる。
泣きたくなる。
なんで。そうなるのかなんてわからないけど。
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