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2日目 夜は明けぬ
目が覚めた。
外が暗い。
カーテンを開ける。
「!!!」
僕は驚いた。外の世界はまだ「夜」だった。
おかしい、何かがおかしい。
そう頭の中で叫びながら、電子時計を確認する。
表示は昨日のままでは無い。夜は明けたはずだ。
突然の出来事にパニックを起こす。
ピロリン♪ピロリン♪
スマホが鳴った。画面を確認してみる。
そこには「非通知」と表示されていた。
急いで通話ボタンをタップする。
「た、助けて!助けてくれ!」
相手が誰かも分からないまま、必死に助けを求めた。
「...落ち着いて。」
人間の声だ。目から涙が零れる。
「いい?今はまだこの状況を理解しきれないかもしれない。とにかくその世界に『適応』して。」
「『適応』?そんなこと言われたって...それに、まだアンタが誰かも分かってない」
「私は早紀。あなたは加藤さん、でしょ?」
「どうして僕の名前を...?」
「その説明をしている暇は無いわ。早くその世界に『適応』しないと、住人達に取り込まれてしまう」
彼女がそう言った時。
ドカァン!
玄関から爆発音がした。
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