3日目 開戦

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3日目 開戦

「な、なんだ!?」 突然の爆発に身体を震わせ、僕は驚いた。 「...奴らが来たわ。最初の内はなるべく戦いたく無かったんだけど」 スマホの先で彼女は呟いた。 「仕方ないわ、ここはこの『App_』を使って凌いで。」 彼女がそう言うと、スマホがアプリケーションのダウンロードを始めた。 「これは...?」 「これはあなたが任意のタイミングで発動出来る『パッチ』よ。この世界はアプリを使って現実に干渉出来るの」 彼女はまるでそれが当たり前かのように、平然と説明をする。 「なんであなたは、そんなことを知ってるんだ」 「今はまだ話す時ではないわ。それより、奴らが来る前に早くApp_を起動させて」 言われた通りに「App_stealth」と表示されたアプリを起動させた。 ー次の瞬間。 スマホから円状に何層も0と1で構成された電子の輪が現れ、僕の身体を包み込んだ。 それと同時に部屋の扉が吹き飛んだ。 「...誰も居ない」 「そんなはずはねぇよ、さっきまで生体反応があったんだ」 「...居ないものは居ない」 なぜ...彼らは僕に気づかない? 疑問に思い、ふと自分の手を見てみる。 「え...?」 そこに手は無かった。おかしい、感覚はある。自分の頬を触ってみる。感触がある。 「一体何が...」 そんなことを呟いているうちに、彼らは居なくなっていた。
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