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「酒田さん!遅いですよ!」
酒田の後輩たちが、嬉しそうに手を振っている。
それに先輩面して偉そうに反応している酒田を見る度に、やっぱり、こいつもちゃんと『先輩』してんだなぁ、と思ってしまう。
「あ、葛木さん、こんにちわっ!」
なぜだか、俺の名前まで憶えられてる始末。
そんなに顔を出してるつもりはないんだけど。戸惑いながらも、小さく会釈する。
「さぁさぁ、どうぞ、ここ。特等席ですからっ!」
女の子たちが頬を染めながら、俺に一番前の席を勧めてくる。
何がどうなってるやら、俺は困惑しつつも、その席に座った。
「なんだよ、俺の席は?」
酒田が不満そうに言ってる声を耳にして振り返ろうとすると、女の子の一人が「あ、安藤先輩たちが出てきますよ!」と、声をかけてきた。
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