エピローグ

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 音楽が流れてきた。  それは、ワルツの『ロミオとジュリエット』。  安藤くんが好きな曲だといって、教えてくれた曲。  情緒的な曲に二人の表情もそれに合わせて、憂いのある表情に変わってる。  そして、音楽に乗って動き出す。俺は彼らの動きに釘付けになる。 「四十三番!」  カウントのタイミングで安藤くんたちの背番号が呼ばれる。だけど俺は彼らを目で追うだけで精一杯で、声援など出せない。 「四十三番!」  フロアをぐるりと動き回り、俺たちの目の前にやってくる。 「四十三番!」  そして、狙いすましたかのように俺たちの前に来て、ポージングを決める。彼の目が俺と合うと同時に、満面の笑みを見せる。  ――クソッ、カッコいいわっ!  と、同時に。 「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」  安藤くんの後輩でもなんでもない観客が叫ぶ声に、ビビる。
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