971人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「いや、そういうわけじゃないです。まぁ、レッスン代くらいは自分で稼ごうかと」
レッスン代?……ダンス部の練習自体に金がかかるのか?今一つ、その仕組みがよくわからず、考えこんでいるうちに、ちょうど駅の改札の前に到着した。
「じゃ、俺、あっちなんで」
「え?」
安藤くんは、地下鉄の改札のあるほうを指さすと、「今日は、ありがとうございました」と、軽く会釈をして去っていく。
もしかして、俺のことを見送るためにわざわざ改札まで来たのか?俺は、思わず、ポカンと彼の後ろ姿を見送ってしまう。
「ありゃ、絶対、モテるだろうな」
羨ましい。そう思いながら、俺は家に帰るべく、駅の改札を抜けた。
最初のコメントを投稿しよう!