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そんなことがあってから今に至るまで数年。
さすがにリオも何も思わなくなった。
今の使用人だってそうだ。
専属の使用人がついたのはもう、五年ぶりくらいになるだろう。
「これからお湯ためなきゃいけないのか…面倒くさいな。シャワーだけで十分でしょ」
そんなことを呟きながら浴室の扉を開けようと手を伸ばすと、中から物音がした。
「…なんだ。先客がいるのか…仕方ないか」
リオはくるりと向きを変え、もと来た道を戻ろうとした。
ガラガラガッシャアーーン!!!ゴロゴロゴロ…カンッ
雷が落ちたのかと思って窓の外を見ても、心地のよい快晴だ。
しかも雷にしては最後の音が軽快すぎる。
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