国王陛下

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リオは本をパキラに渡すと、息を整えながら言った。 「ああ、これのことか!!これはリオにあげたつもりだったのに、要らないのかい?」 パキラがそう言うと、リオは目を輝かせた。 「いいの!?本当に!?嬉しいよ…まぁ書いてあるのは僕には無縁なことなんだけどね」 リオはそう言って頬を掻くと、大樹に寄りかった。 するとパキラが首をかしげて「どうして?」と尋ねる。 「だって書いてあるのは政治のことや国の治めかた…つまり国王になるための本だよ、これ」 「俺にはリオにこそ必要に見えるけどな」 いつだってそうなのだ。 パキラは、リオの欲しい言葉を欲しい時にくれるのだ。 まあ出会ったのはつい半年前と、あまり長くはないのだが。
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