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準備期間
小鳥のさえずりが、リオに朝を知らせた。
起き上がり手元を見ると、昨日の本が握られていて、読みながら寝てしまったんだとわかった。
「お風呂入ってないや、入らなきゃな…」
そう言って替えの服を用意し、部屋の扉を開けると、そこにリオの世話係の使用人は居なかった。
おおかた、リオの髪色を怖がって、この城を出ていったのだろう…とリオは予想すると
「関係、ないけどね」
と、呟いて風呂場へと歩いた。
本来ならばセルビアレーン帝国王家の者の入浴には、最低でも三人の使用人がつく。
そして着替えの用意からその者の御身を洗うまで全てのことをその使用人らがするのだが、リオの場合彼を怖がり誰もそれをしようとはせずクビになるのだ。
それでも勇気を出して彼についた使用人も数名ほど過去にいたが、その全員が途中で恐れをなし、仕事を放棄してしまったのだ。
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