国王陛下

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国王陛下

少年は使用人たちの目を盗み、草原を駆け、大樹の(もと)へと向かった。 少年の名前は“アトエリオ”。 この国の(すえ)の皇子だ。 「…!リオ!」 大樹の上に少年がもう一人。 “リオ”とはどうやらアトエリオのことのようだ。 「パキラ!!ごめんね、遅くなった」 アトエリオ…リオは、パキラという少年に小さく手を振り駆け寄った。 パキラは大樹からひょいっと降りると、リオに手を振り返した。 「久しぶりだな、リオ。何かあったのか?」 「ううん、何もないんだけど…これ、返すの忘れていたからさ」
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