いらいらいらいらい………

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「いらいらいらいらいら。」 「どした。」 「いらいらいらいらいら。」 「なにいらついてんだよ。」 「いらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらい」 「だから、なにいらついて」 「らいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらい。さて。」 「?」 「いら、と、らい。いらいら、は、苛々。では、らいらい、は?」 「らいらい………、来々?」 「そう。すなわち逆の性質。」 「そうか?」 「そして、苛々、と、来々、の間を取ると、依頼、になる。」 「なんで。」 「苛々している人を来々と呼び込んで依頼を受けるからなんだよ。それすなわち、探偵。」 「はっきり断言したな。」 「すなわち断定したことになるわけなんだよ。探偵と断定する。その断定が正当かどうかを判定するのが鑑定士。」 「違うだろ。」 「しかしながら。鑑定士という性質は実に頑固なんだよ。」 「そうでもないだろ。」 「己の鑑定眼に絶対の自信を持っているから、1度自分が定めた事実を変えたという事実が事実上見当たらないんだよ。事実、事実とツツジはなんだか語感が似ているという実情。」 「だからどうした。」 「そんなお堅い鑑定士に、ある若者が言ったとさ。」 「なんて。」     
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