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第零章 【始まりは突然に】
これは一体何なのだろうか。
特に何もない、何も見えないそんな暗闇のような状態で突如耳に聞こえて来る声。
『ハーッハーッ』と荒い息が聞こえている。
怪我でもしたのだろうか、それともただ疲れているだけなのだろうか?
そして、その人物はこう告げる。
「も、もう止めてくれ! 俺はそこにいる彼女を守りたかっただけ、君には何もしていない。」
そんな彼の視線の先には体をズタズタにされて既に亡くなっているであろう一人の少女の姿があったのだった。
話している男性の目の前では得体の知れない生き物がその言葉に反応した。
単純に嘲笑っているのだろう。何も言わず体だけを少し震わせながらこちらの話を聞いていた。
そして、こう言い返してくる。
「貴様は何を言っているんだ?今のお前にそいつを守るだけの力も勇気もやる気も権利も何もないんだよ!とっとと失せるがいい。」
その生き物がそう告げたと同時に辺りが閃光に包まれた始めた。
(な、何だ?何が起こっているんだ?)
現実の主人公の意識もそれと同時に遠くへと飛んで行くのだった。
このまま意識は戻らず彼らは消えてしまうのだろうか。
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