【後編】若井優太の出会い

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もう営業時間は過ぎている。 迷惑をかけないようにするため、僕は店名は伝えなかった。 そのかわり、 「そうですね......言うなれば、『ガーベラのお店』ですかね」 僕がラテアートで贈られたガーベラの花言葉は、『希望』と『常に前進』。 新入社員としての希望と、常に前進して仕事をこなしてほしい願いが込められていた。 しかしそれは僕だけでない。 このカフェにも当てはまっている。 父親が病で倒れ、一時は絶望の淵に立たされていた琲珈もかさんだが、花のラテアートという起死回生のメニューを生み出し、今後のカフェの成長に対する『希望』。そして恐らく彼女が苦手にしているであろうコミュニケーションを改善しようとする『前進』。 これは偶然なのか、それともーー。 いや、気にしすぎだろう。 僕はもう一度カフェを振り返って、頭を下げた。 このカフェの、これからを願って......。
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