「お友達」を呼んで世界を救う

こんにちは異世界

　メンズモデルが雑誌から抜け出たような男、それが高橋。

　 同性の俺から見ても、顔だけは良いのになぁという感想を抱かせるほどの男だ。
　入学当初は女子から人気はあったのだが、オタクだと判明してからの手のひら返しは世知辛いなと戦慄したものだ。

　そんな、非オタクどもよ。
　この夏に大ヒットして、面白かったとか切なかったとか、雨宮くんイケメンだったとか騒いでいたが、その映画の原作は漫画だからな！
　普段、漫画とか読まないしぃとか、オタクやばくね？　とか、見下しているジャンルが、お前の心を震え上がらせたんだからな、と心の中で俺は叫んだものだ。
　俺はお前達よりも先に原作の良さを知り、心を震わせたからな、と。

　話がずれた。

　そんなお世辞抜きにして顔だけイケメン・生活残念な男、高橋。最近は異世界転生、又は異世界召喚あるいは転移というジャンルにはまっているようだった。

　俺もここ数年は耳にしたことはあるが、溢れすぎて何だかテンプレート臭がするので読まず嫌いの状態だ。

　現代から何らかの事故であちらの世界に行って、チートやら無双やらするもの。
　俺も主人公強い系は好きだが、何で最初に死ぬ必要があるのか、とか。
　普通の人が神様とやらにほいほいと特別待遇の生まれ変わりを許されているけれど、このジャンルだけで何万人殺され……もとい、死んでいるのかとか、変なところが気になりそうで。
　そんな頻繁に送り込まれていたら、異世界はあっという間に平和になっているに違いない。

　またまた話がずれた。