こんにちは異世界

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「それ、クラ魔の最新刊!?」  俺がぼんやりモノローグを展開していると、想定通りに声が掛かった。  隣の席の石原だ。  某女優と同姓同名でしかも可愛いが、根っからのオタクでしかもお約束なまでに男と男が絡むことに関して見境がない、いわゆる腐っている系女子だった。 「前の巻ではローグが月の光を浴びて、人間の姿になって終わったのよねー。あーもー、ヤバイ! 王子押し倒してるところでだよ! 狙ってるとしか……おっほぉ!」  彼女もまた、黙っていれば高嶺の花なのだが、高橋同様でちょっと残念な子だ。  だが、男どもからの風当たりは柔らかいので、オタクに対する一般女子からの待遇の改善を求めたい。  心の中でだが。
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